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7歳の女の子がカニバリズムの宗教を作る話がぶっとんでて凄い - Agatha Knife レビュー

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更新日📅 June 08, 2020

記事投稿日📅 July 09, 2018

⏱️5 分で読めます

面白いお話をたまたま見つけたのだが、ググってみても日本語でこれをレビューしている人が2018年7月9日の時点で誰一人いないっぽいので紹介する。なんかいろいろ賞とってみてるだが、日本語版がないせいか、日本での知名度はゼロ。Agatha Knifeは、ゲームである。ただ、ほぼニンテンドースイッチ上で閲覧するゲームブックのようなものなので、ここではどんな「お話し」なのかという概要を紹介していく事にする。ちなみに、xboxやpc版(steam)もある模様。

トレーラー

紹介動画あるのでこれみるとイメージつきやすいかも。2017年にいろいろ賞とってるらしい。

非常にユニークな世界観

とりあえずプレイヤーが最初に学習するであろう、主人公アガサの設定を列挙する。

  • プレイヤーはアガサ視点で物語を読み進める。アガサは肉屋の娘で7歳。
  • 肉の解体作業はアガサが行なっている。
  • アガサは解体前の動物達と一緒の部屋で生活している。
  • アガサは解体前の生きている動物達を「友達」だと思っており、一緒に過ごす時間をエンジョイしている。
  • アガサの悩みは、自分が動物達を解体するために包丁をもって近づくと動物たちが怯える事。怯える動物たちを見るとアガサは悲しくなる。
  • 動物を解体する事自体は好きでやっている。お肉を食べる事も大好き。ステーキはレアが1番好きらしい。
  • アガサは、「動物の解体行為」を自分の仕事だと認識している。対価としてママからお金を貰っている。アガサはもともと収入が発生する事自体にそれほど興味はなかったが、収入を受け取る事でママが満足するなら、という理由で黙ってお金を受け取っている。
  • 世間一般的に、7歳児が「動物の解体」を行う事が異常であるということを、アガサ自身は認識している。
  • アガサは不眠症である。

このゲームは、7歳の女の子を操作して、いろいろな人と会話していくというのをひたすら行うだけのゲームである。会話自体は、「ちょっと賢い7歳児の女 vs 大人」 という構図になる事が多いので、会話内容がわかりやすい(大人が7歳児にわかるような口調で説明してくれる)事が多い。アガサは賢いので、疑問に思ったことを遠慮なく大人に突っ込む質問をする。そのやりとりが時にコミカル、時にとても深い内容になっていて面白い。

ちなみにプレイヤーが最初に接触をする人たちは下記のような輩である。

  • チーズを買うことで救われるという意味不明な宗教の布教活動をしている牧師
  • その宗教を信じ込んでいる老夫婦
  • その宗教になんの興味もないけれど、「教会でお祈り」する母親
  • 好きでもない金持ちのおっさんと結婚する新婦
  • 男性なのに女性のカッコをしている人
  • 死んだ妻の遺体をバラバラに分解し、その肉でシチューを作って食べた夫とその息子
  • 「知らないおっさんの体の一部を食べるという洗礼を受けることで、なにがしかのギフトが貰える」という儀式に強制参加させられている同い年の子供
  • 宗教には無限の可能性があることを信じているが、自分はどの宗教にも属していない、宗教を作る側の人間だと言っているおっさん

あらすじ

主人公は「アガサ」という名の7歳の女の子。苗字は「ナイフ」である。肉屋さん(経営不振)を経営している母と二人で暮らしている。

アガサには下記の3つの悩みがある

  • 不眠症
  • 最近お客さんが少ない→肉屋の売り上げが落ちると新しい動物が仕入れられない→寂しい
  • 包丁をもって動物たちに近づくと動物たちが怯える→怯える動物を見ると悲しい気持ちになる

ある日、アガサはこの悩みの解決方法は宗教を作って信者を増やすことだと説得され、怪しいおっさんと一緒に宗教作りをはじめる。

考えさせられる読み物

このAgatha Knifeは、宗教作りの話であり、カニバリズムの話でもある。かなり「普通でない」7歳児の女の子の視点で、奇妙で狂っていながら、物語の展開自体はとてもわかりやすい。

カニバリズムとは、要は共食いのことである。同種の生き物を食べる行為、人間が人間の肉を食べる行為。詳細興味ある人はwikiのカニバリズムを参照。

2018年7月9日現在、対応言語は英語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語、フランス語である。日本語版はない。日常のカジュアルな会話形式で物語は展開していくので、読みやすい英語表現がベースになっているが、一部マニアックな宗教用語などが入ってくることがある。英語語彙力8000語以上ある人なら楽しんでプレイでき、英語学習としても高い効果が期待できそう。

他言語対応しているタイトルに興味ある人はこちらの記事も↓

ニンテンドースイッチで英語版のゲームをプレイする 複数言語対応のソフト一覧

ゲームとしては面白い画期的なシステムや、インタラクティブな要素があるわけではないので、テキスト多めのコンテンツに抵抗ある人には向かないかもしれない。

あまりないタイプのゲームだとおもうので、変わり種が好きな人は是非。81点。

プレイしたい人は

日本のストアに売っていないので、スイッチで別アカウントをつくり、そのアカウントの住んでいる国設定を国外に設定する(筆者の場合はCanada)。

そのアカウントで接続したe-shopは設定した国のe-shopになるので、売っているタイトルと通貨が日本とは異なるものになる。

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