Skip to content

ボードゲーム クー レジスタンス(Coup:The Resistance)のレビューと戦略考察、ルール - サクッっと終わる心理戦!

  • review

更新日📅 June 08, 2020

記事投稿日📅 November 17, 2017

⏱️7 分で読めます

嘘をつきまくる駆け引きゲーム、クー レジスタンスのレビューとルール説明、戦略にも触れていく。

2~6人用のカードゲームで、拡張版を使う事で10人まで同時にプレイができる。

総評と概要など

76/100点

駆け引き好きな方と、ボードゲーム初心者にお勧めなゲーム。

日本語タイトルがアマゾンなどで「クー」となっているが、スペル通り、欧米でプレイしていても皆しっかり「クー"プ"」と発音しているので、変にっぽさをだしたようなカタカナ表記で"ク"を省略しなくてもいいんじゃないかと思っている。

運の要素と心理戦要素を考えると、カイジのEゲームを少し複雑にして多人数でもプレイできるようにしたもの、に近いイメージ。

多人数でプレイしたときは、空気を読むゲーになる。サシだとEカードみたくなる。トランプゲームの「ダウト」的な要素にも近いかもしれない。

良いところ

  • 1ゲームが長すぎないのでサクサク何度も遊べる。
  • ボードゲーム初心者でも楽しめる。
  • ルールが説明しやすい。

(筆者にとって)マイナスだったところ

  • 多人数プレイの場合、媚びないと勝てない。出る杭は打たれるゲームである。
  • 心理戦的要素が強すぎて、戦略的要素が薄まっている。

ルール、遊び方

3枚ずつある5人のキャラクターカード、計15枚を駆使したサバイバルゲーム。

何人でプレイしようがカードは3x5の15枚を常に使用する。

ゲームの流れ

  1. 15枚のカードをシャッフルしてから、各プレイヤーに2枚ずつそれを伏せて配る。配られたカードの枚数が=プレイヤーのHP(ヒットポイント)となるため、プレイヤーはゲームスタード時にそれぞれ2HP持っていることになる。0になったら退場。余ったカードは中央に重ねておいておく。
  2. プレイヤーは各自2コインをもってスタートする。じゃんけんで勝った人から時計回りにターンが回る。
  3. 自分のターンでは、7つあるアクションのうちから1つだけを選んで実行できる。7つのアクションのうち、クープ(Coup)は所持金が7コイン以上、暗殺(Assassinate)は所持金が3コイン以上ないと実行できない。それ以外のアクションは、自分の所持しているキャラクターカードに関係なく好きなものを実行できる。ただし所持金が11コイン以上あるときはクープ(Coup)をしないといけない。
  4. アクションは大きく分けて二つ、「相手プレイヤーカードを1枚殺す事」と「相手プレイヤーを殺すための行動をするのに必要なコインを得る」ものがあり、各プレイヤー1ターン毎に一つアクションを実行し、生き残りが1人になるまでそれを続ける。
  5. プレイヤーは、自分のキャラクターカードが死亡したときのみ、そのカードをオープンする(山札には戻さない)。
  6. 自分のターンでないプレイヤーは、相手ターン中に相手の行動に対して常にチャレンジをする権利がある。また特定の相手のアクションに対してカウンターアクションをすることもできる。

チャレンジとは?

トランプゲームの「ダウト」みたいなもん。プレイヤーが嘘をついてないかどうかをチェックすること。

このゲームでは、持っているカードに関わらずプレイヤーはコインの許す限り好きなアクションを一つ自分のターンに実行できるが、自分の所有してないキャラクターのアクションを行ったときに相手からチャレンジを受けた場合にHPを一つ失う。嘘をついていなくて、本当に対応するキャラクターカードを持っていた時には、チャレンジしたほうがHPを1失う。

チャレンジはカウンターアクションに対してもすることができる。例えば、自分が3コインを支払って暗殺を試みた時に、ターゲットプレイヤーがコンテッサをもっていると証言したとき。この場合相手が本当にコンテッサを持っていた場合、自分はトータルで3コインと1HP失って自分のターンが終了する。相手は何も失わない。相手がコンテッサを持っていなかった場合は、暗殺が実行され、チャレンジ失敗によるペナルティと暗殺によって、一度に2HP失いゲーム退場となる。

チャレンジを受けた相手が本当に条件通りのカードを持っていた場合、チャレンジを受けたプレイヤーはその該当カードを公にして見せた後で山札に戻し、その後山札をシャッフルしてそこから1枚カードを引くことができる。

クープ(Coup)について

このゲームのタイトルであり、アビリティ名でもある。7コイン払う事で相手カードを1枚殺す(1HP減らす)事ができる。暗殺とちがってカウンターアクションで防ぐことはできない。

カードが一枚殺された場合(残りカードが一枚になる時)

クープ、暗殺、チャレンジのいずれかでHPを失うとき、常にHPを失う側が、失うカードを選ぶ権利がある。失うカードは山札に戻さずに、Face up(表向き)の状態になる。

キャラクター別の能力説明と基本戦術

アサシン

特殊能力は暗殺(Assassinate)で、3コインを払って相手カードを一枚殺すことができる。殺すカードはターゲットプレイヤーが選択する。

「コンテッサを持っている」と宣言することで、暗殺は防がれる可能性がある(コンテッサ所持にチャレンジすることもできる)。

「アサシンを持っています」という宣言は、公開情報である所持金が3コイン以上ないと成立しない。裏を返せば、所持金が3コインないときに他の特殊能力使用を控えることでアサシンをもっていると思わせる為の布石を打てる。

アンバサダー

エクスチェンジ(Exchange)で山札からカードを2枚引き、自分のキャラクターカードと入れ替えることができる。HPを回復させることはできない(自分の残りカードが1枚の時は、新しく引いた2枚と合わせて3枚のカードから1枚キープするものを選ぶ)。引いたカードが気に入らなかったら変更しなくてもよい。

カウンターアクションでキャプテンのスティールをブロックできる。

人数が多く残っている程、アンバサダーの能力は効果が高まる。出る杭が打たれやすいこのゲームでは、序盤に金銭的やHPでリードを取ることはそこまで有用でない。自分の情報を不確定にしつつ、山札のカードを確認することで、消去法で相手のカードを絞れる情報を得ることができる。

アンバサダーの能力は他の能力と比べて一件効果が見えにくいため、チャレンジをうけることが比較的少ない。人数が少なくなるまではエクスチェンジをして様子見する(常に手元にアンバサダーを残しておく)というやり方も有効である。

キャプテン

スティールで、他プレイヤーから2コインを奪う事ができる。キャプテンかアンバサダーの所持を宣言することでスティールはブロックすることができる(その際どちらのカードを所持しているかは明示しなければならない)。

タイマン時に相手がスティールを防げない場合に強力に作用する。

多人数プレイで、スティールのターゲットになったプレイヤーは、カウンターアクションを発動しなかった場合に立て続けに複数プレイヤーに連続で標的にされてしまう事がある。

相手の所持金を減らせる唯一のアビリティなので、逆算すると次のターンで確実にクープを打たれてしまう状況下においての数少ない対抗手段。

コンテッサ

アサシンの暗殺を防ぐことができるカウンターアクションをもつ。アクションは何も持たない。

コンテッサはアクションを持たない分、有効に活用するためにはアグレッシブに嘘をついていく必要がある。例えば、自分のターンでインカム(Income)かフォーリンエイド(Foreign Aid)しか使わず、カウンターアクションとしてスティールをブロックもしないとなると、コンテッサ所持の疑いをかけられ相手の暗殺ターゲットに選ばれにくくなる。

デューク

Bankから3コインゲットできる(Taxアビリティ)。カウンターアクションで相手のForeign Aidを無効化できる。

3人ゲームで自分がデュークを持っていない場合、ゲーム開始時に敵の誰かがデュークを持っている可能性はおよそ67%。人数が多ければ多いほどこの可能性は上がっていく。つまり、相手が「デュークを持っていることを隠しておきたい」という戦略をとらないでいる場合、Foreign Aidは高確率でブロックされてしまう。

← PrevNext →

人気の記事