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「許す」って英語でなんていうの? 間違った使い方をされやすい "admit", "allow", "permit"の違い

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更新日📅 June 24, 2020

記事投稿日📅 June 22, 2020

⏱️4 分で読めます

"admit","allow","permit"のニュアンスの違いを説明してみる。

admitのニュアンス

"admit"を機械的に「許す」「許可する」の意味で使う人がいる。辞書を見ると確かにそのように書かれている。正確にいうとこの言葉は許可を与える側が「しぶしぶ」それを許したり、なにがしかのやりくりがあったあとにそれを「許可する」といったニュアンスが含まれる。

He doen't admit it's true. 「彼はそれが真実であるということを認めない」

上記の文のような用法がよく使われる。この文をみて彼の「負け惜しみ」感を捉えられるかどうかが"admit"の用法を正しく理解できているかどうかということになる。つまり、

He admited it's true. 「彼はそれが真実だと告白した」

和訳は上記のようになるのが好ましい。辞書通りの意味でadmitを「許す」とだけ丸覚えしているとこういったシンプルな文でも現実の理解に齟齬がおきる。今まで許されていなかったことが許される状態にスイッチしたという「状態の遷移感」、または冒頭で述べた「しぶしぶ感」、「やりくり感」のニュアンスを意識して使いこなそう。

allowのニュアンス

日常会話の中で「許す」という意味の英語が用いられる場合は"allow"を使うケースが多い。もちろん他の単語を使うケースもあるが、allowが最頻出になるのはこの単語がシンプルな「許可」の意味で使う文の時に人を主語に取ることが多いからである。

"admit"は、許可されるまでの「やりくり感」が感じられる「許可する」だが、"allow"は単純なできるかできないか、して良いか悪いか2択においての「許可する」という意味である。

He allows his daughter to spend up to 5000 yen every month for her club activity. 「彼は彼の娘がクラブ活動費として毎月最大5000円まで使うことを許している」

また、日本語でいうところのいわゆる「許可する」で使われることが多い"allow"だが、英語では日本語でいうところの「許可する」よりもだいぶ広い意味で使われることが多い。たとえば下記のケース。

We must allow for him being late. 「私達は彼が遅れてくることを見込んでおかなければならない」

allowをそのまま「許す」と言う意味だと丸覚えしていると、上記の文では「彼が遅れてくることを許さないといけない」という「彼」が王族かなにかかのような文意ともとれる訳になってしまうが実際はそうではない。上記の文における"allow"は「彼」が王族でなく、ただの友達だろうが下っ端だろうが使われることがあるケースである。この時の"allow"の「許可する」というニュアンスは、形式ばった「承認する」という意味ではなく、"allow"を使う側が対象に対して心に余裕を持つことを指している、つまりこれが転じて「見込み」と訳される。彼は遅れる可能性が高いので、そうなる心づもりをしておかなければならないという意味である。

permitのニュアンス

"allow"と比べてより形式ばった印象があるpermit。会話中よりは、文面で見かけることが多い。そのため、"permit"を使う主語は人でないものが多い(状況や物、事)。人も主語には取るが、その場合組織的な意味での人であったり、その人のもつ職業や権威的なものを指している。つまり、"permit"が使われる場合には一定のルール内における「権限」が意識されている。この「権限」において「許可する」というのが、"permit"のニュアンスである。

主語に個人を取る場合、その場合は"permit"という単語を使ってその状況を述べている人が、その文のなかで"permit"している人と立場の差を感じていることがニュアンスとして読み取れる。

My father doesn't permit us to go to parties. 「父は私達をパーティーに行かせてくれません」

上記の文は「私達」にとってルールを決めているのは「父」で、その自分よりも立場の強い父が許可を与えてくれないというニュアンスを含めている。

一方、 My father doesn't admit us to go to parties. 「父は私達をパーティーに行かせてくれません」

上記の場合も文面上は同じように訳せるが、ニュアンス的には、"permit"の時と違って「父」をルール制定者として「私達」が意識していない。発言者である「私達」がこの文意の中にこめたニュアンスは、「父はかたくなに認めてくれない」という「許可の状態遷移がおきない」という事の嘆きである。

最後に"allow"を使った同文の場合、 My father doesn't allow us to go to parties. 「父は私達をパーティーに行かせてくれません」

上記の場合も文面上は同じように訳せる。が、この場合の文意はフラットに、「私達」にとって「父」が「許してくれない」を表現している。"permit"の場合のように「父」をルール制定者と立場の違いを別に意識しているわけではないし、"admit"の時のように「いつまでだっても認めてくれない」という渋々感を感じているわけでもない。「父は許可してくれない」というただそれだけの意味である。

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