投票結果から見えること、理由を構成する要素- Resistance:Avalon(レジスタンス・アヴァロン)戦略考察2
更新日📅 June 08, 2020
•記事投稿日📅 March 27, 2018
•⏱️8 分で読めます
ボードゲーム、アバロンの戦略考察メモの続き。今回は、モードレット陣営(赤組)に、アサシン、モルガナがいる状態(モードレッドとオベロンは使用しない)で、青チームにパーシヴァルとマーリンがいる状態、かつ泉の乙女なしという組み合わせでゲームをした場合の考察。合計人数は10人を想定している。
このゲームにおける、「理由」を構成する要素
大まかに分けて次の3つである。
- クエスト結果
- 投票結果
- 各プレイヤーのプレイスタイル、性格、思考レベル
- そのグループの中で構成認知がすでにされている基本理論
クエスト結果
最も強力な要素である。例えば自分がチームを提案するターンで、「クエスト1を成功させた3人+自分自身の合わせて4人でクエスト2に挑む」というのは、自分が青であれば最初に提案すべきこと。クエストを成功させた場合はその中に赤の潜伏者がいようがいまいが、そのチームをそのままもう一度使うべきである。仮に潜伏者がいなくて次のクエストが成功すれば、再び同じメンバーでクエスト3をすれば青チームは勝てるわけだし、潜伏者がいたとすれば、それがいることがわかるためである。仮にクエスト1とクエスト2でチームをばらけさせていってしまうと、それ以降のクエストを進行させるときに考えるべき組み合わせが多くなりすぎて、絞りきれなくなる(勘に頼る要素が多くなる)、このゲームでは青チームが勝つために得られるクエスト結果の情報は最大でも4回しかないのである。
投票結果
各プレイヤーの投票履歴の事である。これをうまく利用できるかどうかは、このゲームの理解度を決定する一つの大きな要素になる。青度(信頼度)が高いかどうかを判定するために必要。ただし、プレイヤーによって投票スタイルはまちまちなため、クエスト結果ほど確たる情報にはならない。各プレイヤーのゲーム理解度(プレイレベル)とセットで考慮するべき情報である。たとえば、approve(賛成)をひとつとってもみても、典型的なド初心者は自分が青の時に自分が含まれないメンバー構成に対してやたらとapproveしたがったり(投票結果の情報を多く得るために投票を長引かせた方が、通常は青側が有利になるという基本、および自分(青)が含まれないランダムな3人チームは自分(青)が含まれる3人チームより赤を一人以上含む確率が高いという事実、を理解していない)、それを理解しつつも長期的な戦略的ブラフであえて自分が青でかつ自分が含まれない序盤のミッションにおいてapproveを出すプレイヤースタイルがあったりなどがある。
各プレイヤーの性格、プレイスタイル、思考レベル
推理や説得どちらに使うにしても、決め手に欠ける曖昧な情報である。初心者程、思考がこれをベースに構成されやすい。起こりうるすべての可能性を考えてゲームを進めていくことは現実的には不可能なので、これらも考慮した上で「仮説」をいくつかの候補にしぼっり、ゲームを進行していくことになる。
そのグループの中で構成認知がすでにされている基本理論
上記の思考レベル、プレイスタイルが各個人ごとに異なるものだとしたら、これはグループ全体ではですでに認知されている共通認識となる考え方を指す。いくつか例をあげると、
- 投票は基本的に否決。
- 赤がチームメンバーを決める時に、その決定が承認される可能性が高い組み合わせとタイミングの場合、赤は赤を二人以上含めたくない(failが二つ以上でるリスクを避けたい)。
- クエストを成功させたメンバーはそのまま引き継がせて次のクエストにも向かわせる方が、情報整理がしやすい。
などが挙げられる。いわゆる全員が周知している「常識」のようなもの。別のプレイヤーを説得させる意見を展開する時は、その内容がこの周知されている理論レベルに近いほど同意を得やすい。
それぞれの投票スタイルから見えてくる事実、その導き方の例
ここでは、10人で投票を行なった場合、各投票結果から導かれる思考の一例を紹介していく。
ゲーム最序盤、クエスト1、1番最初の投票から何が見えるか
全く何も情報がない段階での投票である。
ほとんどがreject(否決)の場合
健全である。参加プレイヤーのほとんどはゲームの最低限がわかっていると判断できる。同じ身内メンバーで何度もなんどもゲームをしていると次第にこうはスムーズに行かないことが多くなってくる。チームに選ばれた人間が賛成を出すのは理解しやすい。もちろん自分がチームに選ばれたとして否決するというのも十分納得ができる。ここで注意すべきは、自分が選ばれていないのに賛成をしている輩である。全く情報がない段階で自分が含まれないチームを許可するということは、赤を一人以上含む可能性が増えるため、純粋な青であれば理由がなければ避けなければならない事態であるはずである。
これを行う者がいた場合に、考えられるケースは大まかに二つしかない。一つは、その「当たり前」を理解できてないパターン。もう一つは「当たり前を理解しているが、論理的に投票しすぎると、自分が次以降のゲームで赤になった時に自分の行動が制限されすぎてしまうため、『自分はランダムで気まぐれに投票する事もあるぞ』という意思表示をしておきたいケースである。ある程度手慣れた固定メンバー同士でゲームをしていると、こういった思考が皆でてきて「のっけから賛成が過半数」となるケースもでてくる。「最初のほうに行われる投票結果はあまり参考にならないから適当に投票した」という心理も、つきつめればこれに該当する。
いきなり賛成が過半数になるパターン
上でも述べたように、自分の投票のランダム性を意思表示をしようとした結果、「自分が含まれていないにもかかわらず賛成した青」が複数人にかぶるパターンと、「ゲーム初心者が複数になるパターン」で発生しやすい。この二つも上の二つのケース同様、どちらがどちらを判断するのは非常に容易である。
1度以上投票がリジェクトされてからの、最初のクエストに対しての投票結果
これは上記とは話が異なってくる。赤側の心理としては、ランダムに選ばれるクエストメンバーは、理想をいうなら「赤が一人だけ選ばれ、残りのメンバーが全員青」というのがもっとも都合がよいのである。赤を複数選んでチームを構成すると、failを複数だしてしまうリスクがうまれ、青側が赤候補を絞り込むための有益情報を与えてしまうことにつながる。この事実と、「情報が少ないうちは青は自分をチームに含めて成功確率をあげたい」という二つの事実をあわせて、「赤がチームを選ぶ時、自分(赤)を含めた場合に他のチームメンバーは全員青を選びたい」というセオリーが生まれる。そしてこのセオリーから派生するセオリーとして、「序盤で複数回選ばれる人間は、青の確率が高くなる」というのがある。つまり、例えばゲーム開始時から3ターン目のメンバー選択で、1ターン目、2ターン目でともに選ばれている人物がいた場合、その人を優先的に選ぶというのは理に適っている(もちろんそれを見越して、否決の確率が高い1ターン目、2ターン目に赤が自分(赤)を含めてもう一人の赤を選出している可能性ももちろんある(否決になることを期待している))。
オリジナルの3人+自分自身の4人チーム投票時
10人中3人をクエスト1で選び、成功に導いた。この後よくあるケースは、メンバー決定者が自分自身とクエスト1の3人の合計4人をクエスト2に選ぶケースである。自分が青であり、自分までターンが回ってきそうであればそれまで否決し続けるのがこの場合もっとも安全だろう。自分が含まれていないにもかかわらず賛成票をだす人がいたら要注意なのは常なので、それ以外でこの場合注目するべきは、オリジナルの3人の投票と自分のターンが回ってこない事が確定している人達の投票である。
オリジナル3のターン時には誰を選ぶべきかという議論
ターンがオリジナル3の誰かになった場合、クエスト2、3では4人必要なため追加で1人を選ぶ必要がでてくる。この「誰を選ぶか」の判断材料の一つとして使われる情報の一つは、「オリジナル3がクエスト1で成功した時の投票で賛成票を入れたオリジナル3以外のプレイヤー」である。序盤において、自分が含まれていないメンバーに賛成をだすプレイヤーの狙いは、セオリーからいえば青プレイヤーの「ランダム性の意思表示」であるか、またそれと見せかけた赤プレイヤーの「別赤が1人含まれたオリジナル3構成の承認からのー含まれた赤による潜伏でのクエスト成功」である可能性が高くなる。前者であれば晴れて4人の青で成功を出すことができるし、後者であれば赤を2人含んだ状態でクエストに行くことができる点で青側に有利である。ちなみに私のプレイしている環境だと、ここまで先読みした上で青3人メンバーのクエスト1での提案に赤があえて賛成をだしているケースは少ない。ちなみにこのケースで厄介になってくるのは、新しく選んだプレイヤーが青で、オリジナル3に赤が1人含まれていて潜伏しているケースである。
長くなったのでいったんここまで。
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