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ダンジョンメーカーが面白い理由を考察してみる

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更新日📅 June 08, 2020

記事投稿日📅 June 11, 2018

⏱️13 分で読めます

何故こんなにもダンジョンメーカーが巷ではやっているのかを、今後のゲーム作成の参考にするために考察してみる。

どんなゲーム?簡単な概要

端的にいうと、魔王とモンスターを育成しながら、毎日やってくる勇者御一行を倒すゲームである。自分は昔、PSPででていた「勇者のくせになまいきだ。」というゲームにはまっていたことがあるが、それとコンセプトがかなり似ている。

1日に1回イベントがあり(勇者との戦闘 or お店 or 特殊イベント etc)があり、魔王が倒されるまで何日持ちこたえられるかというの突き詰めて行くゲームである。

言語関係、ローカライズ

このゲーム最大の欠点

先にこのゲームの最大の欠点を指摘しておく。

このゲームは日本語翻訳が残念な箇所が多い。致命的なのは日本語の助詞、「てにをは」の誤訳である。バフ、デバフ(特殊効果や状態異常)の説明などが、これにより大変わかりにくかったり、間違った表記のものさえある。

この辺りの細かい表現がきになる人は、攻略wikiをみて確認するといいかもしれない。

多言語に対応

もともとは韓国のゲームらしい。日本語、英語、韓国語、中国語(北京語とカントン語)に対応している。初回起動時はOSの言語設定と同じ言語でゲームがスタートするが、ゲーム内の設定で自由に切り替え可能になっている点は非常にポイントが高い。

ゲーム起動時のスタート画面の右下の地球アイコンをタップすると言語変更ができる。

私の場合はosの標準言語は英語なのでゲーム起動時は英語で起動したが、ゲーム内での設定変更後はOSの言語設定を変更することなくゲーム内では日本語で遊ぶことができている。英語の方の翻訳精度は検証してないが、言語の特性上、細かいバフ、デバフ系は英語の方を参考にしたほうが正確な情報が得られるかもしれない。

ビジュアル、UI

ドット絵であるということ

モンスター部分は可愛らしいドット絵でできているが、「勇者のくせになまいきだ。」とは違い、それ以外のUI部分にはドット絵でない2Dグラフィックが使用されている。いわゆるドット絵ゲームは、世界観統一のため、UIからなにまでドット絵で統一する傾向のほうが多くみられる気がしていたが、このゲームはモンスター部分のみにそれを使用することを徹底している。これはこれで意外と違和感なくハマっているからありなのでは無いかと思う。全てがドット絵だと細かい表現ができなかったり、見づらい部分もでてくるので、これはうまいこと違うタイプの表現を両立できた世界観なきがする。

考えてみると、仮にこのゲームのモンスター部分がドット絵でなければ、自分はそもそも購買意欲をそそられなかったかもしれない。(その他のモンハンやれ何やれと同じような世界観にみえなくもない?)自分がただ単にドット絵が好きなだけかもしれない。ドット絵というのはそれだけでパンチがあって、ゲームの一部にドット絵が使われていればもはやそのゲームは「ドット絵のゲーム」とよばれるのである。たとえこのゲームの名前がダンジョンメーカーで、ダンジョンそのもののマップ、部屋、罠などにドット絵が全くつかわてなかったとしても。

動きのある部分だけがドット絵である利点

自分の推測だが、モンスターがドット絵であることで実は大きなメリットがある。このゲームで特殊エフェクトを除いた、画面の大きな動きというのはずばりモンスターの動きである。そしてこのモンスターの動きの部分(戦闘関連パーツ)のみドット絵が使用されているわけである。制作側のメリットとしては、大量のモンスターのアニメーションを一枚一枚イラストで用意するより、ドット絵で用意する方が圧倒的に制作コストが安くすむというのが一つ目の利点。二つ目が、ドット絵はコマ送りのアニメーションと相性が良い為、動きのフレーム数が少なくてもそれが世界観の一部として受け入れられることがある。このゲームは後半になってくると大量の勇士が出現し、ダンジョン内がカオスになる。大量のモンスターのそれぞれの動きの演算処理を、フレーム数多いアニメーションとともに処理していたらおそらく処理落ちしてゲームにならない。

上記の理由により、世界観として静的な要素に2Dイラスト、動的な部分にはドット絵を用いることで総合的なゲームパフォーマンスの向上をはかれている点でグラフィック面はポイントが高い。

UI

ゲーム内で行われる大きな操作はすべて3択に集約されている。日本語訳に難がある点をのぞけば、画面遷移に関しては特に迷うことなく各種ナビを移動できるように設計されているし、ゲームの遊び方もチュートリアルなしでおおよそ理解できるようになっている点で良いと思われる。ただまだいくつか改善の余地がある気がするので下記に不満点をメモしておく。

画面の左側が若干押しづらい

ダンジョンマップ画面で部屋をタップすると、部屋の詳細情報が画面左側にポップアップする。ダンジョンは画面の左側にどんどん拡張していくので、ポップアップがでていると左側に拡張された部屋を押しにくくなる。ドラッグすることで左側の部屋もタップすることができるようになる。

モンスター編成画面でモンスターをタップした時に出てくる詳細ポップアップは、タップしたモンスターのセクションが画面中央より右側ならポップアップ左に、左側ならポップアップは右にでてくるようになっている。文字は常に左から右に読むことを考えると、この手のUIをデザインする時は、特にポップアップが左側で表示されるケースのときに出すx座標と幅に気を使う。モンスター編成画面でも、たまに左側をタップしたいときにポップアップが邪魔してタップできないことがあるが、マップ画面よりはマシかもしれない。情報量的に、ポップアップの横幅を狭めると高さ的にパラメーター情報量が入りきらなくなる場合が出てくるから難しいところか。

能力の説明と、その説明に使われている用語(バフ/デバフ)の説明が同じフォント、サイズ、カラーででてくるため若干わかりずらい。これを同時に出すのは特にゲーム開始時にはわかりやすくて助かる為、並行併記した点は良いと思う。

魔王の特殊能力の説明(スキルじゃなくてタップで使うやつなど)の説明をゲーム中にみることができない

ゲーム開始時の魔王選択画面でしかみることができない。いちいち覚えてられないので、画面左上の名前タップしたり、魔王タップしたらみられるようにして欲しい。

モンスターの配置がしづらい

このゲームはUI上縦スクロールとズームを廃止し、スクロールをしなくてはいけない場合でも横スクロールだけを実装することを徹底している。その方針自体は良いと思うが、モンスターの編成時は各モンスターのアイコンが極小になるため、誤タップ必須になる。極小アイコンが重なり合って縦に並んでいるのが原因だとおもう。改善案としては、ダンジョンマップの見え方を複数用意してタブで切り替えるなどはどうだろうか。勇士との戦闘画面と、編成画面は必ずしも常に同じ見え方出なくてもよく、編成するのにやりやすい見え方にオプションで切り替えられるように別タブを作るのが良いかと思われる。

レベルデザイン、ゲーム性

最近はローグライクなランダムジェネレーションをふんだんに使ったアルゴリズム系ゲームが人気を出しているが、このゲームもその側面が非常に強い。ただゲームを繰り返せば繰り返すほど、ゲームに深みがでるように要素解放要素がいい感じに散りばめられていてゲームの再帰プレイ性を高めている。

この手のレベルデザインが成功を収めるためには、ゲーム攻略に必要なランダムな運要素と、プレイヤーの理解度やスキルによる要素のバランスが非常に大事になってくる。このゲームが楽しいと感じられるのは、ゲームを理解してない初級者は、運が悪いと100日目に到達するのも難しいが、上級者は運が悪くても安定して340日目に到達できるというバランスになっているからである。これは、一見常に3択しかない運要素が極めて大きそうな常々の選択から導かれる結果から、柔軟にとっていけるであろうその先の戦術の幅が多い事が関係している。

ゲームの初級者と上級者の違いは、与えられた選択肢から描ける直近の方向性の見え方と数、それらを比較して判断する力の優劣の違いである。そしてそれらのベースになっているのが、ゲーム内知識である。

このゲームはパラメーターの種類が多い。RPGであれば、HP,攻撃力、防御力の3つがあれば最低限の世界は表現できるわけだが、このゲームではそれらのパラメーター以外の、特殊効果や状態異常のパラメーターの種類の多さとそのウェイトの重さ、スキルの組み合わせ方との豊富さが、最終的なプレイヤーの選択肢にとても大きな幅を与えている。

実績解除の数や、難易度を段階的にアンロックしていきどんどん数が増えていくのも、やりこみづきなプレイヤーのツボを抑えている。実績解除はもうちょっと数増やせると思う。

クラウドセーブできるはよい。

モンスターの数や、イベントの数自体はじつはそこまで多くない。たまにここをやたらと増やしてカオスになっているゲームもあるが、このゲームは意図的にそこまで多くしないように調整している気がする。この制限度合いがなかなか心地よい感じで、私がゲームデザインがうまいと感じている大きな理由である。ランダムなイベントやモンスターなども、母数が大きくなさすぎるからこそ、ある程度「狙いにいける」のである。この狙いにいけると思わせてくれるレベルに抑えるってのは大事。やりこみずきを惹きつけるポイントだとおもう。

そのかわり、アンロックさせる要素が非常に多い。これはこれで全然あり。遺物の種類が多いというのもありかなとおもう。効果が少なめで蓄積していく関係のものは、母数多めでもいいのかもしれない。

有料ゲーム、広告なし、アプリ内課金ありというモデル

このゲームにはフリー版が存在しない。にもかかわらずこれだけ売れている。

面白いと評判であるゲームであれば、ユーザーはフリー版を試さずともダンロードしてくれるのである。また、アプリ内課金はあるが、必須でない。課金をしなくても、やりこみ続ければ課金要素が手に入るという事をゲームプレイ序盤にわざわざチュートリアルで表示してくれるほどである。

ビジネスモデルタイプ的には今まで流行っていたのとはちょっと違うので、実際どのようにマーケティングが行われていたのか非常に興味がある。ちなみに私はGigazineで紹介記事を読んだのがきっかけだった。ゲーム性に自信があるなら、しっかり有料配信したあとに広告にお金かければちゃんと売れるよってことなんかな。

総評

92点

340円という値段はコストパフォーマンスが非常に高いといえる。このクオリティでこの値段なら全然あり。

グラフィックも、音楽も、ストーリーも全然リッチではない。あくまで必要なだけ備わっているかんじ。翻訳レベルも低めで、欠点も見えるが、それらを補って余りある中毒性のあるゲームシステムがこのゲームの評価をあげている。自分はイラスト書いたり音楽作ったりなどはできないが、こういうの作りたい、作れるかもと思わせてくれるような作品。

戯言、メモ、未整理文置き場

  • 上記もろもろは、ダンジョンメーカーをダウンロードして3日目の感想と考察である。
  • ゲーム立ち上げ時にでてくるUnityの文字をみて、「これだけダウンロードされてても、unityロゴ消したりしないでフリープランでつくってるのかな」と思った。
  • ドット絵スタイルは好きだが、このゲームで使われているドット絵のクオリティがそこまで高いとは正直っていない。というより自分の好みのスタイルじゃないだけかも。
  • 最近ローグライクゲームが世間により認知されやすくなっているきがする。昔よりローグライクゲームが増えてる → 何度もくり返し遊べるジャンルで面白く、個人でも作りやすい?
  • ローグライクが売れるたびに、スーファミ時代のトルネコの大冒険を、当時ローグライクが馴染んでなかった日本でチュンソフトがエニックスの力をかりて頑張ったストーリーを思い出す。もともと元祖である「ローグ」はアスキーアートを使ったPCゲームだったが、それに着目して「売れる!」って土壌を開拓しにいった人達は、本当にすごい。
  • そういえば自分が最近プレイしていたゲームはローグライクが多い。
  • NEURO VOIDER
  • まだレビュー書いてないけれど、GungeonとKingdom New Landsもとても面白かった。上のNEURO VOIDERはちょっと難易度高めだしごちゃごちゃしすぎてそこまでお勧めではない。

ゲームプレイ攻略メモ、未整理文

  • ガーゴイル少女はHP高め?
  • ダンジョンの最大領域は3x6の18で、そこに達するとつるはしはでなくなる
  • 罠を15個配置、魔物を50匹配置、は合計数ではなく同時に存在している数となる。つまり逆算すると、罠を15個配置するためには、罠以外のものは広場もふくめて3つしか設置できない事になる。
  • 特殊改造や商人融合回数10回は、同じものを合成してもカウントされる。商人融合で作る特殊モンスターは強力だが、1種につき1体しか保持できない。しかしそのモンスターを融合素材にして手持ちからなくせば、再び融合させることができ、その場合に実績上の融合も再び+1される
  • イベントであがる、全員のHP、攻撃力、防御力は、そのイベント後に追加されたモンスターにも適応される。すべてのモンスター、罠を昇給、昇格にかんしては、その時点での手持ちのみに適応。
  • 魔王強化や、モンスター融合は、融合させる対象の総獲得経験値(lv)を合算することで対応するレベルになる。
  • 商人の場所でカードを買いまくって魔王のレベルをガンガンあげたいとき、モンスター合成のカードのほうが値段が安い場合、素材にするモンスター同士を掛け合わせて一つの大きな経験値のかたまりにしてから魔王に投入するほうがコストが安く済む(魔王スキルの厳選は考えなくてよい場合)。
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